税理士業界はまもなく繁忙期に入ります。個人事業をおこなっている方に対して年内にやらなければいけない手続きを伝えるために帳簿を精査したり年末調整や法定調書の合計表、源泉所得税の集計をしたり、さらには確定申告にむけていろいろ準備をしていく時期にもなっていきます。
年末調整も源泉所得税も確定申告もすべて「所得税」が関係してきます。
確定申告期限まであと3ヶ月と2週間ほどですのでこれからは確定申告についての記事を書いていこうと思います。「自分で確定申告やってみたい」といった方はぜひ読んでみてください。
「所得税」って聞いたことがあるかと思いますがどういう税金かわかりますか?
「所得」というのはもらった収入からそれを得るためにかかった費用を差し引いたものをいいます。所得といっても1つだけではなくて10種類に区分されます。
代表的なものはサラリーマンの方がもらう「給与所得」、退職金をもらったら「退職所得」、年金をもらうようになったら「雑所得」アパート経営している方は「不動産所得」といった感じです。所得税とはその所得に応じてかかる税金のことをいいます。
基本的にはどんな所得でも所得税がかかります。しかし宝くじの賞金や遺族年金などの一定の収入は非課税所得といって課税されません。所得税は日本に住んでいる方のほとんどが対象になります。
所得は10種類
所得は10種類あるのですが、収入と言っても様々で、たまたま得た収入もあれば10年以上労働することで得る収入もあります。それらを一律に同じ税率で課税することは不公平なので10種類に区分をしてそれぞれ税金の計算方法を変えています。
たとえば、退職所得はこれからの生活の基盤となり、また今までの労働への報奨という意味があるのでものすごく優遇していますし、懸賞金や競馬の払戻金は継続性がなくたまたま得た所得ということで所得金額を1/2にした金額をベースに計算することとしています。
- 所得の10区分
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- 利子所得・・・預貯金などの利子
- 配当所得・・・株の配当金
- 不動産所得・・・土地や建物を貸すことで得る所得。
- 事業所得・・・事業や農業をおこなうことで得る所得。
- 給与所得・・・サラリーマンが労働することで得る所得
- 退職所得・・・サラリーマンが退職する際に得る所得
- 山林所得・・・山林の立木を売ることで得る所得
- 譲渡所得・・・土地や建物、株や資産を売ることで得る所得
- 一時所得・・・保険が満期になったことで得る収入や懸賞金
- 雑所得・・・上記以外で分類できない所得、年金や印税、FXの所得
その収入はどの所得になるかが最も重要
確定申告ではこれら10種類の所得を合算してその人の税金を計算します。所得はそれぞれ収入がそのまま所得になるものと収入から必要経費を差し引いたものが所得になるものなど計算が異なります。
間違いやすいポイントですが「収入」と「所得」はまったく違います。収入はもらったままの金額、所得は収入から必要経費や各種控除をマイナスした金額をいいます、一言で言えば「儲け」です。
確定申告を自分で行う際はまず自分がもらった収入がどの所得に該当するかを判断する必要があります。
たとえば
- サラリーマンの方でアパート経営をしていれば給与所得と不動産所得
- 個人事業をおこなっていてアパート経営もしていれば事業所得と不動産所得
サラリーマンが副業でアパート経営とウェブデザインを行っていて、資産運用で株や配当、FXの収入があり、かつ保険が満期になり解約返戻金をもらったら給与所得、不動産所得、事業所得、譲渡所得、配当所得、雑所得、一時所得があることになります。
それら全ての収入と費用や控除を計算してそれぞれの所得を計算します。
まずは所得の分類から始めてみましょう。
次回は所得から差し引ける金額(所得控除)です。
大田区の雪谷税務署管内の方の平成29年分の確定申告の無料申告相談について
平成30年2月5日(月)~2月9日(金) 嶺町集会室の3階 大田区田園調布本町7-1
平成30年2月13日(火)雪谷特別出張所3階 大田区東雪谷3-6-2
午前9:30~11:30 午後13:00~15:30
雪谷特別出張所は混雑しますが嶺町集会室は比較的空いているようです。また、午前より午後が空いているようです。大田区役所本庁舎や久が原特別出張所では無料申告相談を実施しないようです。
上記の日程は税理士会雪谷支部と雪谷税務署が連携しておこなうものです。
もちろん上記日程以外でも当事務所ではご相談を受け付けております。
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