今回も大田区蒲田にあるシトラスベル税理士事務所(旧大見税理士事務所)から仮想通貨に関しての情報発信をさせていただきます。
シトラスベル税理士事務所は2017年から仮想通貨に強い税理士事務所として活動させていただいてますが当時は仮想通貨に関しての情報がほとんどなかったということもあり確定申告をしていないケースが多発していました。仮想通貨に限りませんが、税金を適切に納めなかった場合、さまざまなペナルティが課されます。
確定申告を忘れた
確定申告を忘れてしまった場合や知らなかった場合は、延滞税と無申告加算税を課されます。確定申告を故意にしなかったと判断されると、無申告加算税にかえて大きなペナルティである重加算税を課されることもあります。
無申告加算税は、税額50万円までは15%、50万円をこえる部分に20%の割合を乗じて計算します。
例えば、納税すべきだった金額が60万円だった場合、「50万円×15%=75,000円」と「(60万円-50万円)×20%=20,000円」を足して、95,000円です。
延滞税は本来納付すべきだった期限より後に納付したことによる、利息相当分です。納付期限(3月15日)の2カ月後(5月15日)までに納付した場合と、それ以降に納付した場合で、課される割合が変わります。
- 納付期限より2カ月以内に納付 年2.6%(平成30年の場合)
- 納付期限より2カ月を超えて納付 年8.9%(平成30年の場合)
納税額が10倍になれば延滞税も10倍です。また、延滞税の割合は特例基準割合によって毎年変化します。最大年利は14.6%です。
重加算税を課されてしまった場合は最大50%のペナルティがあります。通常は税額に対して40%ですが、5年以内に同様のペナルティを受けていると、さらに10%が加算され、合計で50%もの税率が課されてしまうのです。
延滞税も含めると、本来納めるべきだった税額の1.5倍前後の税金を納めることになるだけではなく、その後もマークをされ、3年後に再度調査になる確率もぐっと上がってしまいます。
調査によって嘘がバレてしまってペナルティを受けるわけですから、適切な申告をするようになるまでチェックされるのです。
確定申告をして収めた税金が少なかった
期限内にきちんと確定申告をしたつもりでも、納める税金の額が間違っていて過少申告とみなされた場合は、過少申告加算税として最大15%課税されます。
平成28年度の改正前は税務調査の通知があった後、実際の税務調査までに修正申告をすれば、過少申告加算税を回避できました。改正後は税務調査の通知前に自主的に修正申告をしない限り、5%から15%の税率が課されます。
今後は仮想通貨で所得の増えた人への税務調査が頻繁に入る?
税務調査とは、国税局や税務署の職員が、申告内容が正しいかどうかのチェックをして誤りがあれば是正を求めるものです。顧問税理士がいない場合は税務署から直接、納税者に事前通知がされます。
昨今の仮想通貨市場の過熱化を鑑みれば、今後頻繁に税務調査が入ってもおかしくないでしょう。
もちろん、正確に申告していれば問題ありません。しかし、どんなに正確に計算していたつもりでも、税金に関する勘違いや認識の違いは何かしらでてくるものです。税理士でさえ、現時点で仮想通貨の税金について完全に認識していることは稀でしょう。仮想通貨の税金については法整備もまだこれからというところですから、未知の部分も多いのです。
実際に、あるツールを使用して計算した仮想通貨の利益が、自身の把握していた利益よりも極端に少なかったために、心配になって私の元へ相談に来た方もいらっしゃいます。私が計算を行ったところ、やはり修正が必要な案件でした。顧問税理士に相談した時には、問題ないと言われたそうですよ。
税務調査は普通の方ならば、ストレスに感じるものです。とくに悪いことをしていなくても、調査結果がでるまでは落ち着かないものでしょう。税務調査では、帳簿や書類の提出を求められます。電磁的記録である場合には、ディスプレイ上に表示して確認することになっています。私が実際に受けた仮想通貨の税務調査では、調査官がUSBメモリを持参し、取引所のデータをその場でダウンロードしてUSBに取り込む方法も行なわれました。
税務調査を避けるために、また、税務調査が入っても説明できるように、仮想通貨の税金については事前にきちんと把握しておくことが重要です。
海外の取引所を使っても税金はかかる
「海外へ送金して、海外の取引所で仮想通貨取引を行えば、税金がかからないのでは?」と考えている方もいらっしゃいます。
結果から申し上げますと、これも間違いです。海外の取引所を利用したとしても、日本に住んでいる日本人であれば、雑所得として所得税がかかります。
「海外の取引所までチェックできないのでは?」という方もいらっしゃいます。ですが、ひとたび税務調査が入れば海外の取引所で得た利益がないかどうか、くまなく調べられます。故意に利益を隠していたとみなされてしまうと、重加算税が課される可能性もありますから、注意しましょう。
特に近年は国際的な租税回避行為が大きく報道されたことなどから、国税庁も国際戦略として積極的な調査を行うと発表しています。2017年にOECD(経済協力開発機構)が公表したCRS(共通報告基準)は、日本を含む100以上の国々が導入を決めています。
CRSは、税務当局間で非居住者の金融口座情報を自動的に交換するための国際基準です。一定金額以上のお金を海外へ送金や入金すると自動的に国税に報告されるという法律ですが、仮想通貨の入出金にもCRSを適用する可能性があるのではないかと言われています。
年間の儲けが20万円を超えたサラリーマンは確定申告を
仮想通貨取引による利益は雑所得ですから、20万円を超えれば確定申告が必要です。所得は収入そのものではなく、収入から経費を引いたものです。
年末調整で税額が確定している会社員の場合、給与所得以外の所得が20万円を超えなければ確定申告は不要です。
ただしサラリーマンでも、給与所得が2,000万円以上の方や医療費控除やふるさと納税等で確定申告をする場合は、20万円以下の雑所得も含めて申告しなければいけません。
また、20万円以下で申告が不要なのは所得税です。住民税は申告する必要がありますので、注意しましょう。
あなたの取引を税務当局は「見ている」かも?
仮想通貨取引はまだ不透明な部分も多く、「申告しなければバレないのでは?」と思っている方もいるでしょう。しかし、これも間違いです。
税務当局は必要があれば取引所へ履歴の提出を求めることもできますし、銀行の入出金も調べられます。仮想通貨取引は、税務当局にも見られていると思っておいたほうが良いでしょう。
国税庁が平成30年6月に発表した「平成29年度 査察の概要」にも、査察部門の今後の取組として、「社会的関心が高く、近年の経済社会情勢に即した分野で、悪質な脱税が伏在する可能性の高い事案など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案の積極的な着手・処理に取り組むこととします。」と示されています。
国税庁の査察部も、仮想通貨に注目していると見てよいでしょう。
億り人が一転、「税金ビンボー」になる最悪のケース
値動きの激しい仮想通貨市場では、億単位の利益をだした人たちのことがニュースになりました。いわゆる億り人ですね。
仮想通貨は乱高下するため、急騰時に利益を確定した億り人が税金の支払いに困窮するのではないか?という心配もされています。
所持していた仮想通貨が高騰して大儲けしたことで気が大きくなり散在してしまったり、仕事を辞めてしまったりして、売却して得た現金を使ってしまった場合どうなると思いますか?
納税分の現金を手元に残しておらず、納税時に残りの仮想通貨を売却しようとしても、その時点では仮想通貨の価値が下がっていて納税額に満たないかもしれません。
税金は破産しても免除されませんから、家族にまで迷惑がかかる可能性もあります。大切なマイホームを手放したり、借金を抱え込んでしまう結果になるかもしれませんよ。
2020年はまた仮想通貨が盛り上がりそうですね、2017年以前から仮想通貨投資をしている人からすればいまさらな内容ですが最近初めた方はぜひとも正しい知識を得てください。仮想通貨の確定申告で脱税等でニュースになってしまうととても大きなダメージを受けてしまいます。
シトラスベル税理士事務所では仮想通貨の税務調査を積極的に受け付けております。
コロナの影響で税務調査がしばらくおこなわれていませんでしたが2020年10月から順次再開するという報道がなされています。
仮想通貨が高騰した2017年から3年経過しております。もしも無申告だったり不正をしているかたがいらっしゃったら税務調査前であればリカバリーはできます。ぜひともシトラスベル税理士事務所へご相談ください。