国税庁から脱税者を取り締まる査察の概要が発表されました。無申告の取り締まりは2年連続で重視しており社会的関心が高く脱税する人が多そうな事案は積極的に取り組むと発表されました。仮想通貨・暗号通貨は当てはまりそうな印象です、無申告の方は読んでみてはいかがでしょうか?
査察の概要
平成30年6月14日に国税庁から平成29年の査察の概要が発表されました。
査察制度とは悪質な脱税者に刑事責任を追及し一罰百戒の効果を通じて適正、公平な課税の実現と申告納税制度の維持を目的としてある制度です。
この発表の注目すべき点を記事にしてみます。
- 注目1
- まず「平成29年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、 無申告ほ脱事案、国際事案、近年の経済社会情勢に即した事案等の社会的波及効果の高い事案に積極的に取り組みました。」
とあります。
また、査察部門の今後の取り組みについて記載があります。
「平成30年においては、査察制度の一罰百戒の効果が最大限に発揮できるよう、現下の経済社会情勢を踏まえ、特に、- 消費税受還付事案
- 無申告ほ脱事案
- 国際事案
のほか、社会的関心が高く、近年の経済社会情勢に即した分野で、悪質な脱税が伏在する可能性の高い事案など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案の積極的な着手・処理に取り組むこととします。」
と示されています。注目した部分は平成29年も平成30年も共に無申告の人に対しては積極的に取り組む姿勢と公式に示されていることです。とくに「社会的関心が高く、近年の経済社会情勢に即した分野で、悪質な脱税が伏在する可能性の高い・・・」を読むと仮想通貨、暗号通貨がまっさきに思い浮かんでしまいました。
- 注目2
- 経済社会情勢に即した事案の例として、太陽光発電システム、震災復興関連事業、スパコンの開発、カウンセリングやセミナーを利用した個人の脱税が出ています。平成29年は仮想通貨の申告はほぼなかったはずなので当然ですが平成30年はコインチェック社の盗難被害により一時期ニュースでも頻繁に取り上げられていたので可能性はあるかもしれません。
- 注目3
- 平成29年では脱税によって一審判決がだされた件数は143件ですべてで有罪、実刑判決は8人だそうです。懲役7年6か月と過去最高の期間がでたことも発表されております。脱税で7年6か月は衝撃を受けました。
税金は破産してもにげられない
仮想通貨・暗号通貨については安易に無申告でいいやと思っている方も大勢いることが予想されます。期限後であっても申告をすればペナルティは少なく済みます。
税金は破産によって免除されません。自分はもちろん家族にも迷惑がかかるので無申告の方は今一度考えてみてはいかがでしょうか?
国税庁報道資料 http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/sasatsu/h29_sasatsu.pdf
国税庁報道資料リンク http://www.nta.go.jp/index.htm