仮想通貨の確定申告のやり方と必要書類|初めての方向けに税理士が手順を解説|コラム

2026.08.30

仮想通貨

仮想通貨の確定申告のやり方と必要書類|初めての方向けに税理士が手順を解説

執筆:大見税理士事務所|東京都目黒区・世田谷区・自由が丘/相続・暗号資産・法人税務に強い税理士。

仮想通貨で利益が出た。
確定申告をしなければいけないらしい。
でも、何をどこから始めればいいのか、そもそも自分は申告が必要なのかもわからない。
初めての方は、誰もがそこでつまずきます。

この記事では、仮想通貨の確定申告のやり方を、必要書類の集め方から提出までの5つの手順に整理して解説します。
読み終わる頃には、自分が何をすべきか、そして自力でできそうか、それともプロに任せるべきかの判断がつくはずです。
東京都世田谷区の大見税理士事務所が、暗号資産の申告を累計250件以上手がけてきた経験をもとにお伝えします。

まず確認:あなたは申告が必要か

最初に、申告が必要になる基準を確認しましょう。

会社から給料をもらっている方は、仮想通貨などの給与以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要です。
ここでいう所得とは、売却額そのものではなく、売却額から取得にかかった金額を差し引いた利益のことです。

給与をもらっていない方(専業主婦・主夫、学生、専業投資家など)は、1年間の合計所得が基礎控除の範囲内であれば、原則として申告は不要です。
基礎控除は税制改正により引き上げられ、令和8年分では所得の水準に応じて最大95万円となっています。

注意したいのは、利益の計算を間違えて「20万円以下だから大丈夫」と思い込んでいるケースです。
仮想通貨は、日本円に換金したときだけでなく、コイン同士を交換したとき、仮想通貨で買い物をしたときにも利益が確定します。
換金していなくても申告が必要なことがある、という点は必ず覚えておいてください。
また、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になることがあります。

必要書類は5つ:早めに集め始めるのがコツ

申告に向けて集めるものは、次の5つです。

1つ目は、年間取引報告書です。
国内の取引所が、1年分の購入・売却の数量と金額をまとめて、毎年1月頃に交付してくれる書類です。
取引所のサイトからダウンロードできます。これが損益計算の土台になります。

2つ目は、海外取引所やウォレットの取引履歴です。
海外の取引所は年間取引報告書を発行してくれないため、取引履歴のデータをご自身でダウンロードする必要があります。
サイトが閉鎖すると履歴が取れなくなるので、早めの保存が肝心です。

3つ目は、給与をもらっている方は源泉徴収票です。
勤務先から12月〜1月に交付されます。申告書の作成時に、給与の金額を転記するために使います。

4つ目は、マイナンバーカードです。
スマホやパソコンから電子申告(e-Tax)をする場合に使います。

5つ目は、各種控除の証明書です。
生命保険料の控除証明書や、ふるさと納税の受領証明書など、税金を減らせる書類も忘れずに揃えましょう。

申告までの5つの手順

書類が揃ったら、次の流れで進めます。

手順1:取引履歴をすべて集める。
使ったことのある取引所・ウォレットを漏れなく洗い出します。
1か所でも抜けると、計算全体が狂います。

手順2:1年分の損益を計算する。
国税庁が「暗号資産の計算書」というエクセルを無料で公開しており、年間取引報告書の数字を転記すれば利益を計算できます。
計算方法には総平均法と移動平均法の2種類があり、税務署への届出をしていない場合は総平均法を使います。

手順3:確定申告書を作成する。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内に沿って入力するだけで申告書が完成します。
仮想通貨の利益は、雑所得の欄に入力します。

手順4:提出する。
申告期間は、利益が出た年の翌年2月16日から3月15日までです(『所得税法120条』)。
マイナンバーカードがあれば、e-Taxで自宅から提出できます。

手順5:納税する。
納付の期限も原則3月15日です。
口座振替やクレジットカード、コンビニ払いなどが選べます。
納税資金は、利益を確定した時点で先に取り分けておくのが鉄則です。

自分で確定申告をしたい人

正直な話:自力でできる人、できない人

ここまで読んで「意外とできそうだ」と感じた方もいれば、「無理かもしれない」と感じた方もいるはずです。
当事務所の経験から、正直な目安をお伝えします。

自力でできるのは、国内取引所だけで、売買の回数が少なく、コイン同士の交換をほとんどしていない方です。
年間取引報告書と国税庁のエクセルの組み合わせで対応できます。

一方、次のいずれかに当てはまる方は、自力での正確な計算はかなり難しくなります。
海外取引所を使っている。
コイン同士の交換が多い。
DeFiやNFT、ブロックチェーンゲームに触れている。
過去の取引履歴が一部取れない。
複数年分の申告がたまっている。

こうしたケースで計算を誤ったまま申告すると、後から税務調査で指摘され、追加の税金がかかるリスクがあります。
税理士に依頼した場合の費用の相場と仕組みは、仮想通貨の確定申告の税理士費用を解説した記事で詳しく説明しています。
当事務所のサービス内容と料金は、暗号資産の確定申告のご案内ページをご覧ください。

よくある失敗3つ

最後に、初めての方が陥りやすい失敗を挙げておきます。

1つ目は、コイン同士の交換を利益に含め忘れることです。
ビットコインでイーサリアムを買った場合も、ビットコインを売却したものとして利益計算が必要です。

2つ目は、取引履歴の取り忘れです。
特に閉鎖・撤退した取引所の履歴は、後から取得できなくなります。
申告が終わっても、履歴と計算資料は保存しておきましょう。

3つ目は、期限直前に始めることです。
2月に履歴を集め始めると、海外取引所の履歴取得や計算のやり直しで間に合わなくなることがあります。
準備は年明けすぐ、できれば年内から始めるのが安全です。

まとめ

仮想通貨の確定申告は、書類集め、損益計算、申告書作成、提出、納税の5つの手順で進みます。
シンプルな取引なら、国税庁の無料ツールで自力での申告も十分可能です。
一方、海外取引所や交換取引が絡む場合は、無理をせず専門家に任せるほうが、結果的に安全で安く済むことも少なくありません。

当事務所では、初回のご相談を無料でお受けしています。
「自分の場合は自力でできるか」という相談だけでも歓迎です。
取引の状況をお聞かせいただければ、率直にお答えします。

用語集

年間取引報告書
国内の取引所が交付する、1年分の購入・売却の数量と金額をまとめた書類です。
毎年1月頃に取引所のサイトからダウンロードできます。

雑所得
給与や事業以外の所得の区分です。
個人の仮想通貨取引の利益は、原則としてこの区分で申告します。

総平均法
1年分の購入金額の平均をもとに利益を計算する方法です。
税務署に届出をしていない場合は、この方法を使います。

基礎控除
すべての人が使える、所得から差し引ける控除です。
税制改正により引き上げられ、令和8年分は所得の水準に応じて変化します。

e-Tax
国税の電子申告システムです。
マイナンバーカードがあれば、自宅のスマホやパソコンから申告書を提出できます。

出典

所得税法第120条(確定所得申告)
所得税法第35条(雑所得)
国税庁 「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」
国税庁 「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
国税庁 確定申告書等作成コーナー
令和7年度税制改正(基礎控除の見直し)


大見税理士事務所|東京都目黒区・世田谷区・自由が丘/相続・暗号資産・法人税務に強い税理士

執筆者は税理士 大見光男(税理士登録番号 156268、東京税理士会玉川支部所属)。
相続・暗号資産・法人税務を専門分野とし、13年以上のキャリアを有しています。これまで著書・セミナー・取材などを通じて専門知識を発信してきました。

本記事は、制度の概要を一般向けにわかりやすく整理したものです。細部の要件や例外については割愛しております。個別事情により取扱いが異なる場合がありますので、詳細はお問い合わせください(2026年8月現在の法令に基づく解説です)。

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