2017年は仮想通貨元年、2018年は仮想通貨の確定申告元年などといわれていますね。そのなかでも先見の明があり、それ以前例えば2014年から運用しているかたもいらっしゃいます。そのような方は現実の取引と税金計算上の利益が異なる(ようにみえる)ので記事にしてみました。
移動平均法と総平均法
仮想通貨の利益計算は売却収入から必要経費(購入原価等)を差し引いて求めます。売却収入の計算は簡単で、売却した数量にその時の時価をかけて算出します。問題になるのが必要経費(購入原価)の計算です。
国税庁の指針では購入原価の単価の算出方法は移動平均法か総平均法で算出してくださいねと記載があります。これらは株の計算などで用いられている方法で至極まっとうなやりかたなのですが、仮想通貨の計算では問題があります。理解のため極端な例をみてみます。
2014年に1BTCを10,000円で購入
2018年4月1日に1BTCを700,000円で購入
2018年4月2日に1BTCを700,000円で売却
一般的に2~4年前の取引はなかなか覚えていません。現実の感覚だと4月1日に700,000円で買って2日に700,000円で売ってるので損益はない感覚です。しかし、移動平均や総平均法では取引を開始してから単価の計算は永遠に続くので2014年の取引も考慮しなければいけません。
そのため、4月1日に1BTCを70万円を購入した段階で税金計算上の取得原価の計算は以下のようになります。
10,000+700,000/1BTC+1BTC
これで計算をすると1BTCは355,000円になります。そのため4月2日に売却すると700,000円-355,000円で税務上の利益は345,000円になる計算になります。
大問題
これは非常に問題があって過去数年取引をされているかたは保有している通貨を一旦すべて売却しないかぎり過去の低い単価を永遠に引き継ぐことになるので、仮想通貨を購入してすぐさま売ったとしても利益がでることになります。なのでいま自分は単価がいくらなのかを把握することは税金を計算する上で大事なことですね。解説しておいてなんですが、面倒すぎて私は一回一回計算することはできません(笑)
海外の取引所での売買では深刻
海外の取引所ではBTC建てなどが普通なので
XRP/BTC SELL
XEM/BTC BUY
このようにリップルを売ってネムを購入すると、BTCはほぼ同時に取引がされていて損益がほぼでないはずなのに税金計算上はBTCの損益計算上は利益がでてしまう形になります。
補足ですが上記の取引はリップルを売却してビットコインを購入、そのビットコインを売却してネムを購入という形です。ビットコインの視点では購入と売却がでる取引です。
大雑把でOK
しかし、大雑把でも把握する必要はあると考えます。確定申告時に想定利益と計算した結果が異なっている場合はその点を加味して考えてみてはいかがでしょうか?
間違えではない
また、現実に利益と比べると税金計算が間違えていたり、移動平均や総平均が現実と異なる計算というわけではありません。2017年が極端に高騰したので2016年以前から取引を行っている方は違和感を感じる傾向があるので解説をさせて頂きました。